ネフローゼ症候群になったら
ネフローゼ症候群になったら、原則として最初の発症の時には入院が必要で、安静、保温に努めます。
また、食事制限もされ高蛋白・高エネルギー食で、むくみの程度によって塩分の制限があります。この塩分の制限が辛いようで、入院した方は醤油などの調味料を使えない食事が辛かったとよく聞きます。
薬物療法として副腎皮質ステロイド薬や利尿薬の使用が中心となり長期間の治療が必要になります。免疫抑制剤を投与する場合もあります。
ネフローゼ症候群の治療で副腎皮質ステロイド薬の総量が増えてきた場合は、肥満や満月様顔貌、高血圧、白内障、骨粗鬆症などの副腎皮質ステロイド薬の副作用にも注意が必要となります。
しかし、副腎皮質ステロイド薬に反応しないステロイド抵抗性のものや血尿をともなうもの、高血圧をともなうものはほかの病型が多く、腎生検による病型診断を行なって治療法をきめてもらったほうがいいと考えられます。
漢方薬による治療を行うこともあり、小児ネフローゼ症候群の再発予防に、柴苓湯を処方している場合があります。
柴苓湯(さいれいとう)という漢方薬は小柴胡湯(しょうさいことう)と五苓散(ごれいさん)を合わせたものでむくみに用いられます。小柴胡湯は生薬として柴胡、生姜、大棗、黄?、甘草、半夏、人参が含まれ、五苓散には沢瀉、朮、茯苓、猪苓、桂皮が含まれています。
柴胡に含まれるサイコサポニンにあるステロイド用の作用や沢瀉、茯苓の利尿作用がいいのかもしれません。
ただ漢方薬を使用するときは担当医や薬剤師に相談してから行うようにしたほうがよいでしょう。
柴苓湯(さいれいとう)